人気ブログランキング | 話題のタグを見る

黒錆



映画 "七人の侍" 監督:黒澤明

 そもそも何故興味を覚えたかと言えば「SAMURAI7」が理由として大きくある訳でして。
 オマージュというかリメイクというか、そういう位置にある「SAMURAI7」を100%楽しむ為にも原作を見ておいた方がいいんじゃね?的な意図があったりなかったり。
 52年前の作品という事でそれなりに重々しい物を感じながら。白黒映画をDVDで見るっていうのも何だか奇妙な気持ちがするものだ。ていうか何故に二枚組なんだこれ?(後に判明

 演技面にちょっとというかかなりアレな感じというか、古くささがあるんだけれどもそれも慣れればなんてことはない。現代のドラマでだってかなりアレな感じの演技が罷り通っていることがあるのだから。現代のドラマなんて滅多に見ないけれども。
 白黒という事もあり多少見辛い向きがあると感じる。音声も聞きづらい部分がいくつか。まぁそう言うのを全部ひっくるめた上で重々しさ、という形容をした訳ですが。




 先に「SAMURAI7」から見始めちゃったから、どうしてもそちらとの比較という形になってしまう。こちらが原作なんだけどなぁ。
 長髪にピアスとコートで刀を持った「お侍様」というアニメでの雰囲気をまともに受け止めてしまったヲタ気質な見方をすると、原作はバリバリの時代モノだから拒絶反応が出るかも的な。少なくともアニメの方にキャラ惚れした腐女子とかが興味本位で原作見ると「うぉーん泣き」とかすんじゃね?と思った次第。想像したら気持ち悪くなった。

 侍集めに大体半分、集めてから野伏せりの迎撃に残り半分、といった配分。その途中、つまり一枚目の終了直前に数分間、真っ黒な画面に「休憩」の二文字が浮かぶ良く判らない仕様があったのだけれどもあれは当時当たり前な仕様だったのかしら。

 キャラクターは割と原作に忠実なんだなぁ、と思った次第。ただ久蔵が二刀流じゃなかったなぁ、とかそういう細かい設定の違いはあったけれども。たしかにあくあの言うとおり、二刀流の侍なんてそうそう居なかったんだろうな。久蔵は他にもキュウゾウとは違い最初から浪人やってて兎に角渋い、という面があった。キュウゾウはクールだけども渋さが足りない気がする。今のところ。
 その他、原作に出てきた台詞に割と忠実に「SAMURAI7」は進んでいるんだなぁ、と思った次第。ただ一部で使われ方というか発言主が違う台詞とかもあった様子だけれども(「守るのは攻めるのより難しい」等)。平八が五郎兵衛に野伏せりを斬らないか、と持ちかけるシーンでのズッコケ具合(薪割りの斧が外れる)とか、菊千代の13歳とか、じさまの「10人は必要だと思ったが10人と言うと15人になる」とか「首切られるのに髭の心配してどうする」とか。いやこれ主に今日の分のアニメで見た分なんですけれども。ヘイハチが人を一人も斬ったことないという設定になっていたのは原作と違うなぁ。お米マニアも。
 原作で侍を集めるのに肯定的というか進んで集めて世話をしていたのが利吉っぽかったけれども、アニメではその役割のオイシイ部分を殆どキララに取られている感じ。アニメのオリキャラですしね。動きがえろい巫女。

 村での防衛戦はかなり激しい。あれ撮影中に怪我人とか絶対出てるよマジで。村人とかのエキストラ勢の動きがかなりアレだったとは思うけれども、本物っぽい竹槍振り回しているし実際に落馬してるし。凄い規模だなぁ。
 勘兵衛の指示のもと百姓らが防衛作戦に力を込めていく様は素晴らしいの一言。なんて言うか、必死さが出ていて。端的に言うと、うはwwww百姓つよすwwwwちょwwww竹槍wwwwwww
 竹槍の戦力は意外と馬鹿にならない。ただし、「いっき」での話を除く

 中盤から侍が死んでいくけれども、それにしても平八の死に方は非常にどうでも良い物だったように感じる。えー、それで死んじゃうのかよ、的な。久蔵も、単身伏兵の構える森の中に入って火縄銃を奪うついでに二人ほど斬ってくるという素敵隠密活動を無傷で行っちゃう程の手練れだというのに、回り込みされての火縄銃での狙撃での死というのはあっさりすぎだなぁ、と感じたり。五郎兵衛に至ってはやられる描写すらなかったし。ゴロベエは変態だし仕方がないか(ぁ
 代わりに死に様で一番アツかったのは、それまでの扱いが何となく報われていなかった菊千代か。このキャラ、最初の方は単なるDQNじゃねーか、と思わせるものなんですが、その出自や言動の猪突猛進ぶり、単なるDQNキャラじゃないというのが次第に伝わってくる訳で。

 アニメ版だと何となく主役に近い位置に見えなくもないカツシロウだけれども、原作の勝四郎は全般的に影の薄い役に感じたなぁ。優秀な伝令役として勘兵衛に師事するのは良いとして、志乃がらみの一件の噛ませ犬的な役割だけだったような。というか、志乃の立ち位置にキララが来るのだとしたら、これは大変な事ですよ。キララがカツシロウに食われr

 「また負け戦になってしまったな。…勝ったのはあの百姓たちだ」という台詞に、「右は弱き敗者、左は強き敗者。勝者はただ夫人のみ」という台詞を思い出したり。関係ないけど。
 今後「SAMURAI7」の方で楽しめる部分が原作を見ることによって広がったのであれば良いなぁと感じた。
by kurosabi | 2006-05-13 03:21 | 感想
<< 映画 "SAW&qu... 週末恒例三連休と日々平穏 >>


世界ハ斯クモ美シイ

by kurosabi
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31